外国籍ビジネスパーソンの活躍から考える、日本企業の未来
Perspectivesではこれまで、事業を通じて社会課題を解決する日本企業のプロジェクトを、そのキーパーソンの志や意欲、情熱などとあわせて紹介してきました。とりわけ反響が大きかったのが外国籍社員の方々への取材記事です。
CO2からSAFを生成する新技術で、次世代に豊かな地球環境を残したい
「RENKEI制御」を通じてASEAN地域の低炭素化に貢献する
日本企業で働く外国籍ビジネスパーソンをとりあげるとともに、2024年2月には国際大学の留学生と外国籍ビジネスパートンによるトークセッションを実施しました。その際、参加してくださった留学生のうちの1名がJICA留学生の方だったこともあり、今回の企画が実現しました。
JICA留学生は、母国では行政官、研究者、民間人材の方々であり、日本で得た知識や技術、ネットワークを活用して、将来母国の課題解決、発展を導くリーダーとなり、また知日派・親日派として日本との関係強化に貢献いただくことが期待されています。帰国後、母国の発展に貢献することが目的とされていますが、同時に日本に対する理解を深め、公的機関や企業とのネットワークづくりを通じて日本との懸け橋として活躍することも期待されています。
日本企業にとっても、多様で優秀な人材に働いてもらうことができ、また将来的なグローバル展開の際にキーパーソンとなっていただくことも見込まれます。本企画では、そんなJICA留学生の出身者が、日本企業でどのように活躍しているのかに迫り、その経験や想いを紹介します。
JICA留学生の経験が示す、新たな可能性
今後、全3回のリリースを予定しており、2024年12月には、株式会社ジオサイエンスで働くアフガニスタン出身のHakimさんを取り上げた記事を公開しました。Hakimさんは母国アフガニスタンで石油工学を専攻した後、JICAの中核人材育成プロジェクト(PEACE)を通じて九州大学の工学部地球資源システム工学を修了。再生可能エネルギーの開発地探しや地質などの調査・分析業務を担うジオサイエンス社で、専門性を活かして地質調査・分析業務に従事されています。
最適な再生可能エネルギー利用に向けて、世界を調査・分析する地球物理学者たち
今後もPerspectivesは、外国籍のビジネスパーソンを含め、さまざまな産業分野で社会課題の解決に挑戦する「人」「企業」の姿を紹介していきます。
JICA(独立行政法人国際協力機構) 渡辺英樹様からのコメント
JICA国内事業部大学連携課
渡辺 英樹氏
日本は、非欧米から先進国となった最初の実例であり、伝統と近代を両立させ、自由で平和で豊かな民主的な国を作り上げた発展のベストモデルの一つです。JICA開発大学院連携では、開発途上国の未来と発展を支えるリーダーとなりうる人材を日本に招き、欧米とは異なる日本の近代の開発経験と、戦後の支援実施国としての知見の両面を学ぶ機会を、国内の大学と協力して提供しています。
JICA開発大学院連携の枠組みのなかで来日したJICA留学生は、母国では行政官、研究者、民間人材の方々であり、日本で得た知識や技術、ネットワークを活用して、将来母国の課題解決、発展を導くリーダーとなり、また知日派・親日派として日本との関係強化に貢献いただくことが想定されています。具体的には、公的機関や企業とのネットワークづくりを通じて日本との懸け橋として活躍することも期待されています。
母国の事情等で日本にて就職する留学生も一定数いますが、日本企業にとっても、多様で優秀な人材に働いてもらうことができ、また将来的なグローバル展開の際にキーパーソンとなっていただくことも見込まれます。今回の記事が、そのような多様な側面を持つJICA留学生の理解の一助になれば、幸いです。