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イベント参加レポート

株式会社ゼロボードの坂本 洋一氏が法政大学の「サステナブル経営論」に登壇

2022年2月に本メディア「Perspectives」で取り上げた株式会社ゼロボードの坂本 洋一氏が、2022年5月10日(火)に法政大学で行われた社会人向け講座「サステナブル経営論」に登壇しました。 今回の登壇は、この講座を主催されている法政大学の長谷川直哉教授が、Perspectivesに掲載された坂本氏の記事をご覧になり、CO2排出量算定を通じて気候変動問題の解決への貢献をめざすゼロボードの取り組みに関心を持っていただいたことがきっかけとなりました。 講座では、坂本氏から「CO2排出量開示を巡る法律・制度等の状況」や「CO2排出量算定のあるべき姿」について解説いただきました。また講座の最後には演習問題を実施。事業会社のサプライチェーンにおけるCO2排出量算定(Scope3のカテゴリ分類)を実際に行ってみることで、受講者のCO2排出量算定に対する理解を深めました。
 

主催者

法政大学人間環境学部人間環境学科教授

長谷川 直哉

安田火災海上保険株式会社(現株式会社損害保険ジャパン)にて、資産運用業務に従事。(公財)国際金融情報センターへの出向し国際経済の調査に従事する傍ら、1999年にESG投資の先駆けとなる「損保ジャパングリーンオープン“ぶなの森“」を開発しファンドマネジャーを務める。2005年「社会的責任投資における企業評価モデルの研究」で横浜国立大学にて博士(経営学)学位を取得。現在は東証プライム上場企業の社外取締役やサスティナビリティ・アドバイザーに携わりながら、法政大学人間環境学部人間環境学科の教授を務め、CSR論や現代企業論などの授業を展開している。

講演者

株式会社ゼロボード

坂本 洋一

三菱UFJ銀行にて、金利・流動性リスク管理、市場系取引システムの統一プロジェクトなどに従事。ロンドン支店に4年間勤務後、ドローンベンチャーであるA.L.I. Technologiesに参画。エナジーソリューション部門にて事業開発を担当し、大手重電メーカーの電力関連新規事業のサポート、経産省マイクログリッド補助事業の組成をリード。ゼロボードでは企業とのアライアンス、営業、カスタマーサクセスを担当。大阪大学理学部数学科卒。

株式会社ゼロボード 坂本洋一氏を取り上げた記事はこちら

「CO2排出量開示を巡る法律・制度等の状況」を解説

 脱炭素社会の実現に向けた機運の高まりを背景に、企業には近年、自社のサプライチェーン全体のCO2排出量の削減が求められています。こうしたなか、国内外においてCO2排出を巡る情報開示制度の整備が進展しています。日本国内では「省エネ法」や「温対法」が、国際的にはGHGプロトコルベースの制度として「CDP」や「RE100」、「SBTScience Based Targets)」「TCFDTask Force on Climate-rerated Financial Disclose)」などが整備されています。これらの制度に基づき、企業には積極的な情報開示が求められる時代を迎えています。

 講座では、こうした脱炭素社会を目指す国際社会の動向を踏まえつつ、企業にCO2排出量算出が求められる背景を紐解きながら、国内外における情報開示制度の特徴を丁寧に解説。企業が対応すべき情報開示要求内容とその意図・ねらいに対する理解を深めました。

「CO2排出量算定のあるべき姿」を考える

 講座の後半では、CO2排出量算定のあるべき姿について解説。「GHGプロトコルに基づくサプライチェーンCO2排出量算出」の考え方や「Scope3算定の意味や導入効果」への理解を深めるとともに、「複雑・多様化するCO2排出算定・情報開示制度への対応の難しさ」や「サプライヤのCO2の削減努力が顕在化しない現在の算定基準に対する問題意識」など、現在のCO2排出量算定が直面する課題を共有し、考察を深めました。そして、こうした課題の解決を目指す㈱ゼロボードの取り組みを紹介。誰もが簡単にCO2排出量算定できるサービスを提供し、脱炭素経営を通じた事業機会創出を支援する事業の意義・価値を説明。「CO2排出算定を通じて脱炭素社会づくりに貢献したい」「エコシステムを構築することで、ユーザ企業の脱炭素化を支援したい」というゼロボードのパーパス(存在意義)が語られました。

編集後記:講座に参加して

 事業を通じて社会課題の解決に挑むビジネスパーソンを紹介するというコンセプトで立ち上げた本メディア「Perspectives」ですが、いくつかの記事を配信していくなかで、正直なところ、一抹の不安がありました。それは「このメディアで取り上げる記事に興味・関心をもって読んでくださる方がどれほどいるのだろう」ということでした。今回、法政大学の社会人講座に参加させていただき、その不安は解消されました。

 この講座には、企業のサステナビリティ担当者や経営コンサルタント、博士課程の方など、さまざまなバックボーンの方々が受講されていました。彼らはサステナビリティを巡る問題に関心を抱いており、坂本様のプレゼンテーションに興味深く耳を傾け、そして各々の視点から、積極的な質問/意見交換を行っていました。そうした様を直に目にして、「事業を通じた社会課題の解決」に興味・関心を抱く多様な人々が、具体的に行動を起こしている人が確かに存在することを改めて認識することができました。「Perspectives」は、そうした社会課題の解決に対する「動機」ある人々の興味・関心に応える記事発信に努めるべきと改めて感じました。

 また今回、「Perspectives」を通じて、法政大学・長谷川教授とゼロボード・坂本様とのご縁が生まれたことも非常に意義深いことだと感じました。サステナビリティには人と人をつなぐ力があると思います。「Perspectives」が、人や企業、大学、公共機関、行政、NGOなど、社会課題を解決していこうとする前向きな「動機」をつなぐメディアになれるようメディア運営をさらに改善していきたいと感じました。

Perspectives編集部 JT)